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最期の日のこと①

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ゆきの体調が急変したのは、8月13日午前5時。
呼吸数が90回/分となり、只事でないと思いました。
チアノーゼはありませんでしたが、すぐに酸素ボックスへ。
病院が開くのは午前9時、
それまでは酸素ボックスの傍らで声をかけ続け、
職場には遅刻する旨を連絡し了承して貰いました。

酸素ボックスの中で呼吸は徐々に落ち着き、
この機を逃す訳にはいかず、
8時過ぎにゆきを助手席に乗せて病院へ向かいました。
行程の半分ほどまで来た時に、ゆきに異変が生じました。
助手席で急に仰け反るような姿勢になり、
舌や口腔粘膜が紙粘土のような色に転じ、
わたしはゆきが呼吸を止めようとしているのだと察しました。

右手で車のハンドルを操りながら、
わたしは左手でゆきを己の膝に引っ張り上げました。
ゆきは既に意識も自発呼吸も無くて、
小さい身体はぐにゃぐにゃで縫いぐるみのようでした。
ここで死なせるわけにはいかない。
画伯ちゃんも母も、こんな状況だなんて知らない。
みんな未だ、覚悟が出来ていない。

わたしは左手で心臓マッサージを始め、
ゆきのマズルを己の口で覆って息を吹き込み、
戻っておいでと呼びかけました。
彼女はわたしの呼ぶ声に応えてくれて、
蘇生処置の途中で自力での呼吸を再開しました。
わたしは何度もゆきの名を呼んで
「ゆきはお利口さんだね」
「頑張って、自分で息をするんだよ」
「もう病院に着くからね」

病院の駐車場に車を滑り込ませ、
わたしはゆきを腕に抱いて、受付へと走りました。


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by monchuchu0116 | 2019-08-24 00:14 | その他