恋に落ちた日

遡ること3653日、
10年前の12月23日。

決して大きくはない地方空港の、
その片隅にある貨物ターミナルで。

互いに戸惑いを隠せないまま
わたしたちは出逢いました。

わたしは初めて彼女を腕に抱き
そのあまりに頼りない感触に慄き

彼女は腕の中で不思議そうに首を傾げ
大きく見開いた瞳でわたしを見上げ

あの日あの瞬間から
わたしと彼女は

飼い主と飼い犬であり
親子であり
よき友であり
相棒であり
ライバルであり

そんなわたしと彼女の関係を
ひと言で表すのはとても難しいのだけれど。
あの日あの瞬間に
わたしが抱いた感情を言い表すのはとても易しい。

そう。
わたしは、
恋に落ちたのです。

大好きだよ、おちびちゃん。
10年前も、今日も、明日も、明後日も。
百万年が経って、互いの肉体が朽ち果てた後も。

10年前にわたしのもとへ来てくれてありがとう。
今日まで一緒に歩んでくれてありがとう。
ありがとう、ありがとう、ありがとう。
百万回言っても言い足りない。


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家族記念日、うちの子記念日。



初対面のその直後。
飛行機で揺られたせいか、
ゆきは盛大にゲ○を吐いてくれました。
真冬の空港の駐車場、寒い風に吹かれつつ。
初対面のわんこのゲ○を処理したのも今はいい思い出……。
やってくれたなおちびちゃん。