近頃の子どもときたら!!

日曜日の夏祭りにて。
ゆきを取り囲む近所のお子さんを相手に、
もんちゅちゅはポメラニ教の布教活動に勤しんでいました。

片手に持ったマンゴー味のかき氷が半分溶けかかった頃、
お子さんたちが三々五々と散っていった頃、
10歳前後のお嬢ちゃんがひとりでやって来ました。

「この子、触っても良いですか？」
???どうぞ。名前はゆき。
「種類は何ですか？」
???ポメラニアン。
「だと思った!!」
彼女はとても嬉しそうに笑い、そっとゆきを撫でました。何度も。

「ずっと犬を飼いたくて。
おじいちゃんとおばあちゃんは飼ってもいいって」
なるほど、ご両親に打ち明ける前に外堀を埋める作戦か。
なかなか頭がいいともんちゅちゅが感心していると、

「でも、飼わないの」
???それはまた、どうして。
「ぜんぶ、自分で面倒を見たいから。
ご飯をあげて、きれいにして、散歩に行って。
犬は長生きするでしょ。
人間と同じで、ケガをしたり病気をしたりするかもしれないでしょ。
そうしたら、病院に連れて行ってあげたりしなきゃいけないし。
わたしの犬だから、わたしがぜんぶ面倒を見たいの」
???そうか。そうだよね。

お嬢ちゃんははにかんだように笑い、
しばらくゆきを撫でてから帰っていきました。
これから犬を飼おうという人が、皆あの女の子のようだったら。
きっと、不幸なわんこはこの世からいなくなるのでしょう。
まだ見ぬ彼女の愛犬と、
その愛犬との生活に幸多からんことを。



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