2013年 10月 24日
ある黒ポメの物語
もんちゅちゅ地方に台風が上陸しました。
仕事は急遽午前中で切り上げとなり、午後は自宅待機。
自宅の車庫に車を停めたもんちゅちゅの目に飛び込んできたのは、
激しい風雨にさらされながら、ぽつんと庭に佇む黒い影。
一瞬何が何だかわからず、それでも一歩前に踏み出すと、
その”黒い影”と目が合いました。
目が合うなり”黒い影”は悲鳴にも似た声を発し、
一目散にもんちゅちゅ目がけて走り寄ってきました。
それは、その”黒い影”は、恐ろしく汚れて異臭を放つ、
一匹の黒いポメラニアンでした。
黒ポメはもつれ放題の尻尾を千切れんばかりに振って、
毛玉と耳垢でがちがちに固まった耳を後ろに倒して、
腐りつつある歯を見せて一生懸命に笑いながら、
もんちゅちゅに飛びついてきました。
リードも首輪もあるはずが無く、
もんちゅちゅはその黒ポメを家に迎え入れました。
フードと水を与え、身体を洗い、もつれたコートを出来るだけ整え、
台風が過ぎた翌日に保健所と警察署、そして動物病院を梯子しました。
8歳~の黒ポメ♂・停留睾丸・外耳炎・歯槽膿漏・抜歯を要する歯が何本か。
写真は全てのケアが済んでひと月余りが過ぎた頃、
ハッピーくんと触れ合っているところを撮りました。
結論から言うと、遺棄だったのでしょう。
情報公示にも反応は皆無で、何処にも迷子ポメの届け出はありませんでした。
黒ポメくんはその後、
是非にと望まれてもんちゅちゅ親戚宅の子になりました。
今はラブという素敵な名前を付けてもらって、
その名前が表わすとおりに深い愛情を注がれて、
まるで最初からそのお家の子だったかのよう。
それは、ゆきが決して知ることのない世界のお話。
でも、台風が来るたびに思い出すのです。
雨に濡れそぼって立ちつくしていたラブくんの姿を。
どうか、
台風が早く過ぎ去ってくれますように……。
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by monchuchu0116
| 2013-10-24 18:20
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