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懺悔と後悔②

※昨日の記事からの続きです。

その日は今にも泣きだしそうな曇り空、
雨が降る前にとわたしはゆきを連れて急ぎ足で散歩をしていました。
するとリーダーウォークに従って歩いていたゆきが突然足を止めたのです。

その場から一歩も動かなくなってしまったばかりか、
リードを引いても激しく首を振ってハーネスから抜け出そうとし、
名前を呼んでも聞く耳を持たずわたしの存在をまるっきり無視して。
試しにリードを手から放してみると、正反対の方向へ歩き去ろうとする始末。
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わたしも意地になってしまい、
ここでゆきの要求を通せば主従関係が崩れてしまうと思い、
雨が降り出したのにも構わずゆきを力任せに引っ張り、ひどく叱りつけ、
??その後どうやって家に帰りついたのか、はっきりとは憶えていません。

腹立たしいのと情けないのと、
どうしてこの子は分かってくれないんだという気持ちと、
色んな感情がせめぎ合ってその日は到底ゆきに向き合う気持ちにはなれず。
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ひたすら義務的に彼女の身体を拭いて食事を与えてクレートに入れ、
普段通りクレートの扉は閉めてもカギはかけずにおいて、
部屋の明かりを消して自分の布団に潜り込みました。

ですが感情が昂っていたせいか一向に眠気は訪れず。
夜中に起き出して台所で水を飲んで気を落ち着け、自室へと戻って来た時に。

わたしの枕の上に腹ばいになって、上目づかいでこちらを見上げ、
懸命に尻尾を振っている小さなゆきの姿を目にしました。
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ゆきはクレートにカギがかかっていなくても
クレート内で眠る習慣になっていたのに。
この夜に彼女は自らその習慣を破り、

敷布団の上で初めてのへそ天をしてみせ、
わたしの手に指にじゃれついて甘噛みをし、せっせと舐めて、
はしゃぎ疲れてついにわたしの腕の中で眠り込んでしまいました。
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厳しい躾けも理想の愛犬像も、もうどうでもよかった。
ただ愛して、ただ可愛がってさえいればよかったのに。
まだ出会ったばかりのこの子に、わたしはなんて酷いことをしてしまったのだろう。
後悔の念に押し潰されそうになりながら、
わたしはこの反省が遅すぎないことを祈っていました。
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その瞬間を境にわたしは完璧主義者ではなくなり、
ゆきは本の背表紙を齧り千円札を齧り、散歩中のゴロスリの楽しみを覚え、
一人と一匹はおやつを分け合うようになり、並んで昼寝をしては枕を奪い合うようになりました。

初めから派手につまづいてしまったわたしたちの関係、
でもあの夜の後悔があったからこそ、今のわたしとゆきがいる。
??最近は何故だか頻繁に昔のことを思い出します。


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そんなことも あったっけ。



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まだだ!!
まだ諦めないぞ!!
by monchuchu0116 | 2016-03-16 05:30 | その他 | Comments(0)